出版社での仕事

スポンサーリンク
横長広告

お中元のシフトの仕事を終えてから数か月後、新しい派遣会社に登録して採用されたのは、大手出版社でのデータ入力だった。

季節は冬になっていた。仕事が決まる空白期間は、文芸賞に応募する小説を書いたり、ゲームを作っていたと思う。ダウンロードサイトで販売しても全く売れずに落ち込んでいた気がするが。

データ入力はこれまで何度もやってきて慣れているから、そんなに苦もなくできるだろうと思った。

それに小説家を目指しているので、出版社の中で働けるのは本当に嬉しかった。文芸出版社ではないけれど、雑誌を作っている職場の雰囲気を味わえた。こんなふうに外注のライターに頼むのか、とか。雑誌に広告を載せる承認だとか。新しい企画の打ち合わせだとか。活気がある。かといって、すごく忙しいというわけでもない。正社員はフレックスタイム制だったし、11時以降という遅い時間に出勤してくる人もいれば、毎日定時で帰る人もいる、かなり余裕のある職場だった。思い描いていた忙しすぎて殺伐とした出版社のイメージとは全然違っていた。

それにこの職場の近くには他にも大手の出版社がいくつかあって、その建物を通勤時や昼休憩の時などに見られるのも幸せだった。あの『ノンタン』で有名な児童文学の偕成社など。出版社に縁があるのかな、と期待したものだ。

ただ、仕事は出版にはほとんど関係のないもの。Excelを用いての単調な数値の更新作業だった。

苦もなくできるだろうと思っていたけれど、やはり甘かった。単調な仕事のせいか、よく睡魔に襲われる。

ここでもやはり睡眠障害に悩まされたのだ(あと当然、過敏性腸症候群にも)。

もう一人、一緒に入社した人がいたのだが、その人も業務中うとうとすることがあった。すると、上司にあたる人にたまたまうとうとしているところが見つかってしまい、注意を受けてしまった。そして以来その人は上司にあたる人に少し厳しい目で見られるようになってしまった。

やはり仕事中にうとうとするというのはかなり印象を悪くする。仕事がしにくくなる。

自分の場合は特にびくびくしがちなので、派遣先から印象を悪く見られると、いつも非難されているのではないかという気持ちになってしまい、すごく働きにくくなってしまう。うつの症状が強くなってしまうのだ。

ただでさえ、冬の寒い時期に通勤するというのは精神にこたえた。通勤がつらい中で職場でも雰囲気の悪さを感じてしまうと会社勤めが苦しくなってしまう。

混雑時の地下鉄に乗るというのはつらかったけれど、その電車内で綺麗な女性を見かけることがあって、それが数少ない潤いになったというか、その人を見たいから頑張って同じ時間の電車に毎日乗っていた感もある(それに同じ駅で下車していた)。と言っても、同じ時間だと思っても、その綺麗な女性を見かける機会というのは少なく、稀に同じ車両で見かけることができて、同じ駅で下車しても、当然話しかけることなどはできなかった。

とにかく簡単な業務ゆえに(Excel画面も細かな数字ばかりだし)、毎日睡魔との闘いだった。そしてかなり忍耐を必要とする仕事だった。時間が流れるのもかなり遅く感じるし、頼まれた仕事が早く終わってしまうと暇な時間もできてしまう。暇な時間ができてもその場でじっとしていなければならない。

パソコンで何かをすることも当然できない(インターネットを使ってはいけない)。長時間じっとしていなければいけない忍耐を伴うのだ。これは結構神経にこたえる。

実はぼくはじっとしているのが結構苦手。本当に好きなことをしている時ならパソコンと長時間向き合っていられるのだけれど、好きでもなく面白くもないことを長時間じっとしてやっているとかなり精神にこたえる。だからデータ入力だけの業務というのも本当は苦手な仕事だったりする。スキルを求められない分、採用はされやすいし、楽ではあるのだが。

何もせずに座って待機してて、というのも意外と疲れるものだ。気持ちがイライラしてしまうこともある。うつ病だからなのか、それともうつ病でなくても、何もせずにじっとし続けていると苦痛なものなのか。

適度に合間に立ち仕事があったり、頭を使う業務だったり、インターネット検索などをする業務があると充実してできる。

話し相手がいれば、それはそれで暇な時間があっても時間が潰せたのだろうが、一緒に入って隣の席になった人も全く話さない人で、気まずさがあったのも苦痛に拍車をかけたのかもしれない。

早く終わってほしい(任期満了の日が来て欲しい)、そればかり考えていた。

本当に会社勤めに向いていないのだろうと思うけれど(うつ病にとっても会社勤めせずにできる仕事をした方がいいように思うのだけれど)、やっぱり収入がなくなって、会社勤めするしかない状況になってしまうのだ。

こういう一時しのぎで仕事をしている、という状況も精神には良くないのだろう。生きていることに焦りばかりを感じてしまっていた。

じゃあ、好きなことを仕事にして生活していけるのか、というのも難しかった。


そういえば、2016年後半というのは、ラブライブ!にも興味を持ち始めた年だった。

アニメもレンタルで全話観たし、劇場版もレンタルで観た。夢を叶えるというストーリーに深く共感してしまった。なかなか夢を叶えられない自分を応援されている気もした。スマホゲームのスクフェス(リズムゲーム)もやるようになっていた。

すでにμ’sは解散してしまっていて、それが残念だったけれど。どうしてもっと早く観なかったんだと悔やんだ(その思いもあって、のちのちAqoursにはまっていくことになる)。

ちなみに、メンバーの中では絢瀬絵里に惹かれた。性格が本当に理想の女性に近かった(しっかりもので頼れる優しいお姉さんタイプ。ただし、金髪キャラが好きというわけではない)。ラブライブシリーズの中でも一番好きなキャラとなるのだった。

で、ここの職場で働いている時も、昼休憩などにはスクフェスをプレイすることがあった。このゲームをするようになってまだ間もなかったのでレベルも低くてスタミナも少なかったし、昼休憩にもプレイして必死にイベントでポイントを稼いで絵里ちゃんの新カードを手に入れようと頑張った(その時はまさにぎりぎりの順位でゲットできたのだった)。そこも思い出深かった。

スポンサーリンク
レクタングル大
レクタングル大

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする