小説を書くようになったきっかけ その1

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ぼくが小説を書くきっかけとなったのは、うつ病のきっかけ記事に書いたとおり、死ぬことを考えるようになったから。

自分の気持ちを作品という形にして遺してみたかった。まず400字詰めの原稿用紙を買ってきて手書きで書くようになったのが高校卒業してから。だから十八歳の頃。

でも、実はそれまで小説はほとんど読んでこなかった。生活圏に書店というものがほとんどなかったのもある。結構田舎だったのだ。どこに行くにもまずバスに乗らなくてはいけなかったし、自転車を使っても最寄り駅まで行くのに30分以上はかかった。

中学・高校の頃、読んでいたのは、スニーカー文庫の『ロードス島戦記』くらい。

小説を読むことを避けていたのは、多分学校で小説を読んでいると周囲からからかわれる・軽くイジメっぽい扱いを受けるというおかしな風潮もあったからだと思う。それに、ゲームをやる方が好きだった。プレイステーションやセガサターンが全盛期だった時代だったのだ。

それなのに、小説を書こうと思ったのは、中学時代に友達と漫画を描いていたことや、RPGツクールというソフトでゲームを作ったことがあったから。何章かに分けて主人公を変えて、ストーリーを進行させて、最終章でそれまでの章の主人公たちが合流するタイプのもの。結局完成はさせても、誰にもやってもらうことはなかったけれど。

そういうので、物語を作るのは好きだった。

あとは小説創作は自分にとってとても難しいこと。その難しいことにあえて挑戦することで死ぬ覚悟を強めようという、弱い自分へのいさめみたいなものがあった。

賢治童話との出会い

小説を書こうと思い立ったものの、じゃあ、どういうジャンルを書こうかと思ったところ、興味を持ったのが、宮沢賢治の童話だった。

小説を書くためにはまずはどれかをお手本にしないといけないと思った。そこで、角川の宮沢賢治クラシック文庫を数冊買ってきた。

小説はそれまでの人生であまり馴染みがなかったけれど、絵本や童話、昔話は幼い頃に積極的に読んできた。家にある絵本・児童文学の類を自分で全部読み漁るくらい好きだったのだ(母親が絵本や児童書をよく買ってきてくれたというのもある。兄弟が三人いるとそれだけたくさんの本があったのだ)。夜、布団に入っても、寝ずにスタンドライトの灯りで児童書を読んだという記憶もある。小学生の低学年の頃もよく図書室に行った。その当時、『ぼくは王さま』というシリーズが大ヒットしていたこともあった。

そういうことで宮沢賢治のクラシック文庫を買ってきたのだ。それに、死ぬまでの期限というものを決めてしまったから、なるべく短い期間で文章力を上げられるようにしたい。なので長編作品は避けたかった。読むのも気力が必要だったし。

作文を書くのも苦手だったくらい自分には文章力がなかった。受験勉強での現代文の成績(読解力)は結構高かったけれど、自分の気持ち・考えを文章にするという行為はからっきしだった。

宮沢賢治の童話は、童話であって童話でないような部分があって、大人になって読んでからの方が面白いと感じられるようになった。自分の考えに通じるところもたくさんあってどんどん惹かれていった。それに短い作品が多かったので、小説に馴染んでいくにはちょうど良かった。文章も独特で、こういうふうに書けばいいのかと勉強にもなった。

それから自分でも簡単な童話も書くようになった。

この宮沢賢治に深く触れたことで、日本大学の文芸学科の大学受験が合格できたと言ってもいいくらい。なにしろ、文芸学科には筆記の一次試験が通ると二日目に実技試験と面接があって、その時に簡単な童話を書いたのだ。そして、面接でも宮沢賢治が好きだと言ったら好印象で終わった。

無事に合格して入学してから分かったことだけど、日芸の文芸学科には宮沢賢治の研究をしている教授がいて、宮沢賢治の童話を用いて心理学・哲学みたいなのを学ぶ講義もあったほどだ(ぼくは受けなかったけれど)。

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